読書感想ブ⑤:うつくしい子ども、石田衣良
うつくしい子ども (文春文庫) | 石田 衣良 | 本 | Amazon.co.jp
背表紙の文章
緑豊かなニュータウンを騒然とさせた九歳の少女の殺人事件。犯人として歩道されたのは、<ぼく>の十三歳の弟だった!崩壊する家族、変質する地域社会、沈黙を守る学校・・・。殺人者のこころの深部と真実を求めて、十四歳の兄は調査を始める。少年の孤独な闘いと成長を痛ましくもみずみずしく描く、感動のミステリー。
この本を読もうと思ったきっかけ
石田衣良は個人的に好きな作家で、「池袋ウエストゲートパーク」などはすごく有名。
すごく興味のある題材だった。
最初はどんな本かわからなったけど、背表紙を読んでないようはわかった。
「酒鬼薔薇事件」みたいだなって思った。
あの事件の真相は詳しくは知らないけど、弟さんは自殺したとか聞く。
まぁ身内の罪を一生背負わされるわけだし、そうなるだろうなって思った。
想像しただけでもどんな人生なのか怖くなるけど、割とリアルに想像は出来てしまっていた。
なので、この題材は面白いなって思えた。
主人公は3人兄弟の長男で、兄・弟・妹という構成。
その「弟」が殺人をおこしてしまう。
割と最初の方で殺人が起き、犯人もわかるので、この本のメインは犯人がわかった後にその家族に襲いかかることが中心。
普段ドラマや映画などではハッピーエンド、もしくは衝撃的なラストに向けての話がメインになるけど、「その先」というのが現実世界では結構重要だったりする気がする。
まぁよくある純愛映画とかも、その後別れたりしたらただの黒歴史だったりする気がするし、結局今の状態が幸せか不幸せかはすごく危ういもので、すぐにひっくり返ってしまうように思う。
今回の場合は、不幸から少しマシになるまでの人生の切り抜きっていう感じかな⁉︎
きっかけによって人生は大きく転ぶ
この本の場合は、「弟の殺人」がきっかけで主人公の人生が大きく狂うことになるけど、実際の生活でもこういう大きなきっかけは少ないようで多いように思う。
たとえば自分は大学にストレートで入学できたけど、これも入学できたから良かったものの、試験に落ちていたら全く違う人生になっていたし、東大に落ちて自殺する人もいると聞くと、大学は大きな分岐点なんだなって思う。
結局今後も名刺の一つみたいに一生付きまとってくるものなので、自分はついていたなと思う。
人生の波の浮き沈みは避けられないものだと思うから、沈んだときにどんだけ耐えられるかが大事だと思う。
あんまり楽しい人生じゃなかったから、この本の主人公にはけっこう感情移入できた。
人間は原因を知りたがる
この「酒鬼薔薇事件」のときだったか、殺人などの犯罪を犯す人は「ゲームをよくする」みたいな話をこの時期先生や親などからされた気がする。
「自分の子供も将来同じようにならないようにするにはどうすればいいのか」という親たちの声に応えるために、原因として加害者の少年がやっていた「悪そうな」ことや趣味などを原因だと発表しなければいけないとか。
それで加害者は「ゲームをよくする子供だった」と知ればゲームは悪いものっていう風潮に成る。
このときに、もし加害者が生花とか趣味だったら、それが悪いものとして発表されるのかなぁって思った。
あと家庭環境の問題とかも授業でやった。
確か家に入ってから親と一回も顔を合わさずに部屋に入れる構造になっていたため、様子を親が知ることができずにこんな少年に成長してしまったのだとか。
実際はどうなんでしょうね⁉︎
家族ぐるみで監禁していた事件とかもあるしなぁ・・・
酒鬼薔薇少年が愛読していた本として、「向日葵の咲かない夏」っていう本を昔友人から借りた。
まぁ確かに気持ちの悪いというか、後味の悪い話だなとは思ったけど、面白くて1日で読んだ。
いろんなことをやっているわけだし、原因を探るのは難しそう。
でもやっぱり気になる、、、なんで殺人とか犯罪を起こすんでしょうか⁉︎
小説を読む意味について
なんか最近はどちらかというとビジネス書ばっかり読んでいるから、小説を久しぶりに読んですごく心に響いた。
仕事のために小説読む意味ってあるのかな⁉︎って疑問に思っていたけど、スキル的に何かを得ることは無理だろうけど、メンタル的に解決できることはあるかもしれない。
小説の人物って魅力的だったりするし、自分の悩みを言葉にして説明してくれいたり、解決方法を見出したりしているときがある。
結構自分がするのは、小説の登場人物がもつ趣味を実際に自分もやるというもの。
趣味は人生を豊かにする大事なものと思うから、何か人生を変えるきっかけにならないかなって思って、積極的にいろんなことに手を出す。
昆虫好きとか、何かに詳しくなる趣味っていいなって思うから、何かジャンルを見つけて勉強してみるのもいいかもしれない。
小説を読むことも一つの趣味なので、これからも色々な本を読んでいきたい。
ちなみに、「乙一」も好き。
主人公がけっこう残念なのが自分に投影できるから。